そして、FAPの便利なところは、構造があるのね。セラピストが反応を捉えて感情と結びつけるじゃない。その時は実は感情と記憶は統合されないわけ。要するにキーを送るのね。そして終わった後、患者さんはぼーっとするの。そして面白いのは、患者さんは帰った後、おもしろいように寝る。疲れて、ということが一つと、もう一つは夢の中で記憶が統合されるの。それも深い睡眠の時。ノンレムの時。だから覚えていないの、夢は。全然。でも、悪夢はたくさん見るの。でもそれも覚えていない。だから寝たりないのね。そして、トラウマの統合が終わったかな、という時点で、その“寝足りない”という感覚は消える訳ね。うわー、すごい、これよね、って。そして段々感情がはまってくると、表情がしっかりついてくる。そして浮いた感じがなくなるのね。本当に患者さんのから、浮いた感じがなくなってきて、地に足が着いてくる。その感覚がね、曝露療法と同じなの。これがね、いやー、嬉しいなと思うの。
 そしてこの前、以前僕が曝露療法をやった患者さんが来たのね。相当前に曝露療法をやって、舞い戻ってきたというよりも、何か遊びに来ましたと言って、インサイト・カウンセリングに来てくれたわけ。もう、来たら逃さないよ、みたいなね(笑)。ちがうって(笑)。いや、何を言いたいかといったら、FAPが曝露療法と同じ効果があるのかどうかということをね。そして曝露療法をやっていたから、もう一回周産期から僕が全部チェックしていったの。そうしたら、周産期はもちろんトラウマが残っていたのね。残っていたというか、トラウマがバリバリ出たの。で、ゼロ歳、1歳、2歳、3歳、と記憶にない部分というものがあるでしょう。それは全部トラウマがたくさん出るのね。それを取るのは本来はすごーく大変なの。そして取っていったの。そして、4歳、5歳、6歳というのは、これは以前曝露療法で一緒にやっていたの。そうしたら、トラウマはほとんど出なかった。やったー!って思ったのね、その時。嬉しい!みたいなね。やっぱり記憶にない部分というのが多いのね。記憶にある部分については処理されているけれども、ない部分については残っている、というかたちで、治療効果というものが見えるのね。
 それから、この前もっとおもしろかったのが、ある患者さんで相当重傷度が高い、被虐胎児の、50何歳の人、だから相当固まっちゃっているのね。うわ、この人相当時間がかかるだろうな、と思って、ブルーな気持ちでFAPをやり始めたのね。そうしたら、あれ、ない、ない、という感じなのね。記憶にない範囲はあるのだけれども、記憶にある範囲がないのね。きれいに処理されているの。あれ?ないんですけれども、みたいなね。「何かセラピーにかかっていましたか?」って聞いたら、ハコミ療法に4年間、と言われて、僕は妙に悔しかったのね(笑)。ハコミ?(笑)みたいなね。そんなのが効くのか!みたいなね(笑)。すごい否定的(笑)。でもね、そのハコミ療法4年間というのがどうやら効いているらしいのね。そして効いてみると、ちょうど歯抜けになっているところが、ハコミでやったところなんだって。へぇ、って思いました。そして他のセラピストが触ったところはこちらでわかるのね、ちゃんと。少ないから。おもしろいって。やっぱり人間の感情というものはちゃんと統合していくこと、というのがこれは重要じゃないかなと思っています。