でもね、いつも半信半疑でやっている。治療者が妄信的になっちゃだめなの。だから本当に効くのだろうか、という、いつもTry and error。そう思いながらやっているのだけれども、いつも効いているとびっくりするの。うわ!効く!みたいなね。毎回毎回患者さんを見るたびに、感情が統合されるのね、やっぱり。浮いた感じがなくなるの。浮いた感じというのはわかる?表情がはっきりしないわけね。表情がクリアじゃない。どっかずれているわけ。これがみんなが対人関係がうまくいかない一番の原因なのね。実はね。表情がはっきりしない。だからコミュニケーションがうまくいかないのね。嫌だというときにちゃんと嫌な表情ができないわけ。むかつく!というときに表情がないわけ。むかつけばむかつくほど、能面になってしまう。あるでしょう?みんなそういう経験(笑)。ね?それがちゃんと露骨に表情が出てくる。これがちょっといいようで悲しいんだけれどもね、治療者にとっては(笑)。そんなに露骨に表現するなよ、みたいなね(笑)。でも曝露療法をやっていると最後の方ではそうなっていくわけ。患者さんが図々しくなる。患者さんが、非常にだらしなくなってくる、いい加減になってくるわけ。まあ、いっか、みたいなね。そういう形になってくるわけ。全然引きずらない、という状態になってくるのね。ああ、おもしろいな、と。そして、実は症状に向けて今までFAPをやってきたわけね。いろいろな症状、例えば、過食欲求、鬱症状、夫のことが気になる、妻のことが気になるとかね。そしてある一定の効果は上げられるのだけれども、やっぱり真ん中は変わらないのね。ここがいつものテーマなの。僕にとっては真ん中が変わらなければ意味がないわけ。ここなのね。そしてこの真ん中がどうやったら変わるだろう、どうやったら本当に真の意味で感情が自分のものになって自由になれるだろうか、ということがこれがテーマなの。
 そこでおもいついたのが、トラウマの全部取り。というのが、今やっていて、一番おもしろいことなのね。それは何かと言ったら、周産期、お母さんのお腹の中にいるときね、ここからトラウマは始まっているの。意外でしょう。ここからトラウマが始まって、出産時もそうね、出産時にトラウマがある人はたくさんいる。出産時、ゼロ歳、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、ずーっと一個ずつやっていくわけね。どうやるかといったら、患者さんに「周産期のトラウマ」と行ってもらうのね。その時に、治療者がどんな反応が得られるか、ということを確かめていくの。これがおもしろいの。すごくおもしろいのよ。なんかやったらめったら周産期に見捨てられ不安と苦痛が出る子がいたのね。あんた見捨てられ不安ちょっと出過ぎ、と思ってね(笑)、そしてそれを相手に伝えたら、「実は母が何回か中絶しようと試みた」って言うのね(笑)。それは見捨てられ不安強くなるでしょう。こういうことがあるのね。そして、お母さんのその頃のやばい状況が、こちらにちゃんと伝わってくるのね、臓器反応と指のパターンで。うわ、こんなのあるんだ、みたいなね。憎しみが出てきて、夫に対する憎しみ、とか。うわ、きれいな憎しみが出ています、みたいなね(笑)。妊娠中というのはね、やっぱり夫婦関係が一番悪くなるのね。だからね、周産期、妊娠中ね、のトラウマというのは、お腹の中にいて、母親の臓器と密着しているから、密接な関係にあるから、そのまま子どもに伝わってしまうのね。どうやらそうらしいということで、周産期、出産時、ゼロ歳、1歳、2歳、とぜーんぶやっていってしまうの。これがトラウマの全部取り。これがね、時間がかかる人とかからない人とがいるのね。時間がかからない人はあっと言う間に終わるの。6回くらいで。かかる人は延々とかかるの(笑)。本当にね、時間がかかる。でもここでね、嬉しいことが一つ。何かと言ったらね、このトラウマの全部取りをやると、要するに氷山の一角よりもこっちが出てくる、下の部分。要するに記憶にないものが本物でしょう?多分。記憶にないものがトラウマのはずなの。記憶にあるものは大したことがないわけよ、本当はね。その不快な感覚を何かに結びつけるために言っている場合が多いわけ。こっちが大切なのね。それをどうやら触れるんじゃないか、と。