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嫌いなことをやり続ける意味
ある受験生が「だいぶ勉強ができるようになったのですが、2日に一冊のペースで自己啓発本も読んでいるんです」と言っていた。
この受験生のお父様は、私に「子供は受験生の自覚がなくて受験とは全然関係ない本を読んでいる」と愚痴をこぼしています。
確かに、2日に一冊で本が読めるのだったら「その時間を受験勉強に費やして点数をあげればいいじゃないですか!」と思ってしまいます。
受験生としては「自分が興味のある本を読んでいるだけで、それが受験と関係ないかもしれないけど、将来役に立つかもしれないじゃないですか!」という感じになっている。
塾の先生は「そんな無駄な時間を使っていないで勉強しろ!」とちゃんと指導しているのにもかかわらず、その受験生は本を読むのがやめられません。
「だって、本を読むのが好きだから!」
こんな時に、お師匠さんのリソースが本領を発揮します。
この受験生のリソースって何だろう?
私がこのリソースのことをこれまで書かなかったのは「リソースってその人のいいところ!」という感じになってしまいがちだから。
あるセミナーに参加した時に「お互いに相手のいいところを書き出して見て発表してみましょう!」というのをやらされて「イラっ!」ときたことがありました。
「優しい!」とか「思いやりがある!」や「人の話を真剣に聞く姿勢がある」とか言われても「う~ん?」となります。
まあ、親から一切褒められたことがなかった私だから「人からの褒め言葉を素直に受け取れないだけ!」と思っていたのですが「何かが違う!」とずっと思っていました。
多分、この受験生のリソースと言って「いいところを探してあげて褒めましょう!」的なことで言ったら「様々なことに興味が持てる探究心がある!」とか「受験などのイベントに対して動じない胆力がある!」などとなります(胆力=物事に簡単に驚いたり恐れたりしない気力。度胸。大辞林から)。
それを言われた時に、一時は「わ~い!そうなんだ!」となるかもしれません。
でも、お師匠さんがリソースを探すと、一撃必殺な感じで「一発で効いちゃう!」という美しさがあったんです。
この受験生だと「あなたには無意識の力を引き出すリソースがある」となります。
「なんのこっちゃ?」と普通の人だったら???状態になってしまうんです。
私はそれを聞いた時に、駆け出しのカウンセラーだった頃のことを思い出すんです。
若くて、アホで、それでいて妙に正義感が強くて、という人でした。
ある家庭内暴力のケースのカウンセリングを担当することになって、ボスに指導を受けることになりました。
当時の私は、ほとんどすべてのケースはボスに報告して、相談してケースを進めていました。
一通りボスにケースの説明をした後に、ありがたいお言葉をいただくために待っていたら、ボスが「そのケースは、お母さんの関わり方の問題だよ!」とおっしゃったんです。
「え?ボス!お母さん亡くなってますけど!」と言いたかったのですが、他のスタッフもいたので、言えずにいたら、話がどんどん展開していきます。
「お父さんじゃなくて、お母さんでよろしいんですよね!」と確認をしたら、ボスは「当たり前じゃないか!」と怒られたので「やっぱり母親なんだ!」とそのまま指導を受け続けます。
家庭内暴力で問題になっている、息子と父親が私の目の前で殺気立っている時に、私はボスの指導通りに「この家庭の問題は、お母さんの息子さんへの関わり方にあります!」とお伝えしたんです。
すると二人は顔を見合わせて「え?」となります。
お父さんが「妻って、この子が幼い頃に亡くなっているんですけど?」とおっしゃったのですが、私は「うん、うん」とうなづいて「わかっています!」という態度をしてから「でも、わかりますでしょ!」とお二人に静かにお伝えします。
「お母さんの関わり方の問題であるって、わかっていらっしゃいますよね」と言った時に、それまで殺気立っていた息子さんが下を向いてしまったんです。
「あれ?アホなカウンセラーに呆れてしまったのかな?」とちょっと焦ったのですが、何も言わずに「うん、うん」とただ息子さんの呼吸に合わせてうなづいていると、息子さんから「グッスン、グッスン」と鼻をすする音が聞こえてくるではないですか。
そして、床には大粒の涙が、落ち始めていて「え~?なにこれ!」となります。
それを見て、父親まで泣き出してしまって、息子の背中に手を置いて、優しくさすりながら「辛かったな~!ごめんな~!」と言いながら男泣きをしていました。
そんな二人を見ていたら、私まで泣けてきてしまって「なんじゃ~!こりゃ~!」となります。
その後、二人は母親のお墓に行き、そして帰りに焼肉を一緒に食べる、という習慣をつけて、そして、息子は父親と同じ道を歩みだしたんです。
「ボスってすげ~!」と思って報告しに行ったら「あれは父親の問題だよな!」とおっしゃていて「あれ?母親じゃなかったの?おっしゃっていることが違うんですけど?」となったのですが「面白い!」と思っていたんです。
そうなんです、ボスから出されたお題が、目の前のケースに全く関係なくても、それを意識的に「これは違う!関係ない!」と判断して排除するんじゃなくて「とりあえずやって見ますか!」とやってみると「お~!すごい展開になった!」とそこには無意識が宿っていたんです。
意識では「こんなお題をやるのは無理!」ということを思い切ってやることで、無意識さんが発動する、という仕組み。
意識が「それって違うんじゃないの?」と思ったことを「え~い!」と思い切ってやってみると、無意識さんが発動するから「想像以上の結果が出てしまったんですけど!」ということがたくさんあったんです。
そうなんです。
この「こんなことをやるのは無理!」と思ってもやり続ける、というのは学生時代に体験した面白い体験。
物理とか哲学とか、英語の古典文学とか「できるわけないでしょ!」と思っていたことを「挑戦」じゃなくて「無理矢理やらされる!」という形で学校でやらされていたんです。
意識では「自分には絶対に無理!」と思っていたから無意識が起動して「あれ?古典文学の美しさが見えてくるんですけど~!」とものすごくシェークスピアが好きになってしまいます。
物理なんか日本でも挫折したのに、英語でなんか絶対無理でしょ、と意識が諦めていたら、無意識が起動して「物理って心理学とものすごく関係があるじゃないの!」というのが見えてきちゃって「物理の勉強最高!」となっていたからアホですよね。
大学に入った当初は「なぜ心理学以外の勉強をやらなければいけないんだ!」と文句を垂れていたのですが、今では「無意識の助けを借りるためにあれは必要だったんだ!」ということが見えてきたんです。
常識的に外れていること。そして意識で「これは違うでしょ!」ということを無理矢理やり続けてみると、無意識さんが起動します。
意識的なお父さんが「受験とは全然関係ないでしょ!」と言うことをやり続けると受験生の無意識が起動して「キャッピ~!」ってなるんです(キャッピ~!ってなんやねん!)。
意識で嫌いな勉強をし続けることで、無意識が起動して面白い世界を見せてくれるんです。
そんなお話を受験生にしたことがあったんです。
そして、受験生はお父さんと一緒に嬉しそうに帰って行きました。
なぜか、お父さんも嬉しそうに受験生の肩に手を置いていたんです。
24/11/08
24/10/18
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ある受験生が「だいぶ勉強ができるようになったのですが、2日に一冊のペースで自己啓発本も読んでいるんです」と言っていた。
この受験生のお父様は、私に「子供は受験生の自覚がなくて受験とは全然関係ない本を読んでいる」と愚痴をこぼしています。
確かに、2日に一冊で本が読めるのだったら「その時間を受験勉強に費やして点数をあげればいいじゃないですか!」と思ってしまいます。
受験生としては「自分が興味のある本を読んでいるだけで、それが受験と関係ないかもしれないけど、将来役に立つかもしれないじゃないですか!」という感じになっている。
塾の先生は「そんな無駄な時間を使っていないで勉強しろ!」とちゃんと指導しているのにもかかわらず、その受験生は本を読むのがやめられません。
「だって、本を読むのが好きだから!」
こんな時に、お師匠さんのリソースが本領を発揮します。
この受験生のリソースって何だろう?
私がこのリソースのことをこれまで書かなかったのは「リソースってその人のいいところ!」という感じになってしまいがちだから。
あるセミナーに参加した時に「お互いに相手のいいところを書き出して見て発表してみましょう!」というのをやらされて「イラっ!」ときたことがありました。
「優しい!」とか「思いやりがある!」や「人の話を真剣に聞く姿勢がある」とか言われても「う~ん?」となります。
まあ、親から一切褒められたことがなかった私だから「人からの褒め言葉を素直に受け取れないだけ!」と思っていたのですが「何かが違う!」とずっと思っていました。
多分、この受験生のリソースと言って「いいところを探してあげて褒めましょう!」的なことで言ったら「様々なことに興味が持てる探究心がある!」とか「受験などのイベントに対して動じない胆力がある!」などとなります(胆力=物事に簡単に驚いたり恐れたりしない気力。度胸。大辞林から)。
それを言われた時に、一時は「わ~い!そうなんだ!」となるかもしれません。
でも、お師匠さんがリソースを探すと、一撃必殺な感じで「一発で効いちゃう!」という美しさがあったんです。
この受験生だと「あなたには無意識の力を引き出すリソースがある」となります。
「なんのこっちゃ?」と普通の人だったら???状態になってしまうんです。
私はそれを聞いた時に、駆け出しのカウンセラーだった頃のことを思い出すんです。
若くて、アホで、それでいて妙に正義感が強くて、という人でした。
ある家庭内暴力のケースのカウンセリングを担当することになって、ボスに指導を受けることになりました。
当時の私は、ほとんどすべてのケースはボスに報告して、相談してケースを進めていました。
一通りボスにケースの説明をした後に、ありがたいお言葉をいただくために待っていたら、ボスが「そのケースは、お母さんの関わり方の問題だよ!」とおっしゃったんです。
「え?ボス!お母さん亡くなってますけど!」と言いたかったのですが、他のスタッフもいたので、言えずにいたら、話がどんどん展開していきます。
「お父さんじゃなくて、お母さんでよろしいんですよね!」と確認をしたら、ボスは「当たり前じゃないか!」と怒られたので「やっぱり母親なんだ!」とそのまま指導を受け続けます。
家庭内暴力で問題になっている、息子と父親が私の目の前で殺気立っている時に、私はボスの指導通りに「この家庭の問題は、お母さんの息子さんへの関わり方にあります!」とお伝えしたんです。
すると二人は顔を見合わせて「え?」となります。
お父さんが「妻って、この子が幼い頃に亡くなっているんですけど?」とおっしゃったのですが、私は「うん、うん」とうなづいて「わかっています!」という態度をしてから「でも、わかりますでしょ!」とお二人に静かにお伝えします。
「お母さんの関わり方の問題であるって、わかっていらっしゃいますよね」と言った時に、それまで殺気立っていた息子さんが下を向いてしまったんです。
「あれ?アホなカウンセラーに呆れてしまったのかな?」とちょっと焦ったのですが、何も言わずに「うん、うん」とただ息子さんの呼吸に合わせてうなづいていると、息子さんから「グッスン、グッスン」と鼻をすする音が聞こえてくるではないですか。
そして、床には大粒の涙が、落ち始めていて「え~?なにこれ!」となります。
それを見て、父親まで泣き出してしまって、息子の背中に手を置いて、優しくさすりながら「辛かったな~!ごめんな~!」と言いながら男泣きをしていました。
そんな二人を見ていたら、私まで泣けてきてしまって「なんじゃ~!こりゃ~!」となります。
その後、二人は母親のお墓に行き、そして帰りに焼肉を一緒に食べる、という習慣をつけて、そして、息子は父親と同じ道を歩みだしたんです。
「ボスってすげ~!」と思って報告しに行ったら「あれは父親の問題だよな!」とおっしゃていて「あれ?母親じゃなかったの?おっしゃっていることが違うんですけど?」となったのですが「面白い!」と思っていたんです。
そうなんです、ボスから出されたお題が、目の前のケースに全く関係なくても、それを意識的に「これは違う!関係ない!」と判断して排除するんじゃなくて「とりあえずやって見ますか!」とやってみると「お~!すごい展開になった!」とそこには無意識が宿っていたんです。
意識では「こんなお題をやるのは無理!」ということを思い切ってやることで、無意識さんが発動する、という仕組み。
意識が「それって違うんじゃないの?」と思ったことを「え~い!」と思い切ってやってみると、無意識さんが発動するから「想像以上の結果が出てしまったんですけど!」ということがたくさんあったんです。
そうなんです。
この「こんなことをやるのは無理!」と思ってもやり続ける、というのは学生時代に体験した面白い体験。
物理とか哲学とか、英語の古典文学とか「できるわけないでしょ!」と思っていたことを「挑戦」じゃなくて「無理矢理やらされる!」という形で学校でやらされていたんです。
意識では「自分には絶対に無理!」と思っていたから無意識が起動して「あれ?古典文学の美しさが見えてくるんですけど~!」とものすごくシェークスピアが好きになってしまいます。
物理なんか日本でも挫折したのに、英語でなんか絶対無理でしょ、と意識が諦めていたら、無意識が起動して「物理って心理学とものすごく関係があるじゃないの!」というのが見えてきちゃって「物理の勉強最高!」となっていたからアホですよね。
大学に入った当初は「なぜ心理学以外の勉強をやらなければいけないんだ!」と文句を垂れていたのですが、今では「無意識の助けを借りるためにあれは必要だったんだ!」ということが見えてきたんです。
そうなんです。
常識的に外れていること。そして意識で「これは違うでしょ!」ということを無理矢理やり続けてみると、無意識さんが起動します。
意識的なお父さんが「受験とは全然関係ないでしょ!」と言うことをやり続けると受験生の無意識が起動して「キャッピ~!」ってなるんです(キャッピ~!ってなんやねん!)。
そうなんです。
意識で嫌いな勉強をし続けることで、無意識が起動して面白い世界を見せてくれるんです。
そんなお話を受験生にしたことがあったんです。
そして、受験生はお父さんと一緒に嬉しそうに帰って行きました。
なぜか、お父さんも嬉しそうに受験生の肩に手を置いていたんです。