恥ずかしい!

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恥ずかしい!

大嶋信頼ブログ 緊張しちゃう人たち

2017/12/02 恥ずかしい!

私自身、本当に“器が小さい”っていうのが「恥ずかしい!」とずっと思ってきました。

 

そんなことを考えていたら、寮生活をし始めた頃のことを思い出しました。

 

若かった頃って、銭湯に入るとか温泉旅行で温泉に入る、なんてことをしたことがなかったから「人前で裸になるのが恥ずかしい!」と思っていました。

 

人がいるところで服を脱いだことがなかったんですね~!

 

ところが寮に入ったら、40人が生活するホールで共同シャワーが4台だけ。

 

それもトイレと一緒にあるシャワーだから、シャワーを浴びていると人が入ってくる。

 

そして、更衣室なんかないから、自分の部屋で裸になって、そしてシャワーまで腰にタオルを巻いて歩いていかなければならなかった。

 

私の部屋は、一番シャワーから遠かったので「うわ~!みんなに裸を見られる~!」と歩くのが嫌だった。

 

そこでみんながシャワーを浴びない時間、誰も廊下を歩いていない時間を見計らって、部屋から顔を出して「よし!誰もいない!」と確認をして、慌てて服を脱いで、シャワーがあるところまで翔っていっていた。

 

誰も見ていない、と思って、毎日のようにドキドキしながらシャワーを使っていたのですが、それをしっかり誰かが見ていたんですね~!

 

歌を歌いながらシャワーを浴びていたら「あれ?曇りガラスの向こうに人影が?」と思ったら、さっと消えました。

 

「気のせいかな?」と思って髪を洗って、そして、外にかけてあるタオルに手を伸ばしたら「無い!」となります。

 

脳裏には、アメリカ映画の学校でのいじめのシーンが浮かんできます。

 

裸のまま廊下を出た途端に、寮の連中が廊下に座って、裸で慌てて自分の部屋にタオルを取りに行くのをみんなが見物して「ヒュ~!ヒュ~!」ってやるシーン。そして、慌てて廊下を翔って自分の部屋にタオルを取りに行っても鍵がかかっているんで、そこで恥ずかしくて悶えて、見世物になるって場面。

 

そんなシーンが思い出されたら、なぜか怒りが湧いて「俺のタオルはどこだ!」と怒鳴ります。

 

普段は、ほとんど喋らず寮の部屋にこもりきっていたので、みんな私の怒鳴り声なんて聞いたことはなかったんです。

 

ちょっと廊下からザワザワした声が聞こえて「やっぱり!」となります。

 

トイレのドアを「バン!」と壊れんばかりに思いっきり開けて「誰が俺のタオルをとったんだ!」と怒鳴ります。

 

シャイな私が恥ずかしそうに股間を押さえてちょこまかとかけて出てくると思ったら、全く違った反応だったのでみんなが固まっています。

 

まるで秋田のなまはげの裸バージョン(もちろんお面なし!)で「誰が俺のタオルをとったんじゃ~!」と廊下で見物をするつもりで座っていたやつの胸ぐらを掴んで持ち上げて、顔を思いっきり近づけて「お前か!お前が取ったんか!」と揺さぶります。

首を「ぶるぶる」と横に振って「僕じゃ無い!」という意思を表示します。「だったら、誰じゃ!」と怒鳴りつけると、あっさり「あいつです!」と指をさすではないですか。

 

犯人を指したそいつを廊下に投げ出し、逃げようとした犯人の服を捕まえて、床に投げ飛ばして、廊下で袈裟固めをしながら「おまえか~!お前がやったんか~!」と締め上げていきます。

 

周りの人間が、慌てて、私の怒りを収めようとしたのか、タオルを持ってきて、私の股間を隠そうとしましたが「今更遅いわ!」と私の怒りは収まりません。

 

すると、その犯人のルームメイトが「ノブ!これはアメリカのやり方じゃ無い!」とわけのわからないこと言います。

 

「うるさい!俺は日本人じゃ!」と怒鳴りつけ、さらに締め上げてリック(犯人)の顔が赤から青に変わっていきます。

 

ルームメイトが「アメリカではこれで戦うんだ!」とシェービングクリームのスプレー缶を持ってきたので「はあ?」となります。

 

私の力が緩んだ瞬間にリックは私の腕から抜け出して、みんなからシェービングクリームのスプレー缶を渡されて「対等に戦おう!」とボクシングのステップを踏みながらバカなことを言い始めます。

 

シェービングクリームの泡を手にとって、そして、相手にぶつけて塗りたくり合う、という趣旨だと思うのですが、私にはその文化がありませんでした。

 

さっきと同じ要領で、リック(犯人)を投げ飛ばして床に叩きつけてから、リックの上に馬乗りになって、そして、丁寧にシェービングクリームの泡で顔を埋めていき、みんなが「ワ~!」と盛り上がります。

 

寮のみんなが「わ~!勝者!」と言いながら私の両手を掲げて、ジャンプして喜んでいて、いつのまにか私も「わーい!」とみんなと一緒にジャンプをしながら、ぶらぶらさせていました。

 

シェービングクリームだらけの犯人に手を差し伸べて起こしてあげて、ハグしながら背中を叩きます。

 

そして、リックはとったタオルを自分の部屋から持ってきて、私の腰に巻いて、私はみんなの声援を背中に受けながら自分の部屋にがに股歩きでゆっくりと戻っていきました。

 

部屋にたどり着いたら、やっぱり鍵がかかっていたので「やつらめ!」と再び怒りが湧いて、部屋のドアを「バン!」と足で蹴飛ばして大きな音を立てたら、慌ててリックが鍵を持ってきて、こそこそと開けて「どうぞ!」と手をさして部屋に誘導します。

 

わたしは「なんじゃ!こりゃ!」と思いながら。

 

しばらく興奮して勉強も眠ることもできなかったのを今でもこうして覚えているんです。

 

そして、時折、こんな風に私の記憶の中に浮かんできて、私に何かを示してくれるんですね。

 

あいつら、どうしているかな?

 

そうなんです、私は、あれから「裸を見られて恥ずかしい!」ということがなくなったんです。

 

(この話は何度か書いていて、本だと確か「ミラーニューロンがあなたを救う」に書いていたかもしれません)

 

 

 

 

 

 

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