やっと戻ってきた!

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やっと戻ってきた!

大嶋信頼ブログ 緊張しちゃう人たち

2017/09/14 やっと戻ってきた!

モーガン・フリーマンが主演している映画で「最高の人生のはじめ方」を観ていて「お~!すごい!」と思ったんです。

 

奥さんを6年前に亡くして、執筆意欲がなくなった作家が酒に溺れている時に、隣の家の両親が離婚したばかりの女の子が「どうしたら物語をあんなに上手に書けるようになるの?」と聞いてきて「お小遣いを全部あげるから教えて!」と言ってきます。

 

作家は車椅子で少女と一緒に田舎の道路に出て、真っ直ぐに伸びる道を眺めながら「今、何が見えている?」と聞きます。

 

ただの舗装された道路と、両脇に生えている木、そして、上に広がっている青空と雲ぐらいしか見えないので、少女は「何にも」と答えます。

 

すると、作家は「目の前に見えていないものを見るんだよ!」と言います。

 

少女は「見えていないものをどうやって見るの?」と聞きます。

 

ガンマンのヒーローが出てくるウエスタンの小説を書いていた作家には、その道を馬に乗って颯爽と走っているあのガンマンの姿が見えていたんです。

 

そんな時少女も「あ!自分も普段から見えないものを想像していた!」ということに気がついて、あの作家が書く小説のコツをつかんだような気がしたんです(多分こんな流れだったと思います。記憶って面白いですよね)。

 

単純に書いちゃえば「想像力を働かせろ!」なんですよね。

 

何もない道が広がっていても、そこに「ガンマンがいる!そしてちょんまげを結った武士と一緒に馬に乗ってこちらに向かってくる!」なんて想像したら、頭の中でその情景が広がっていきます。

 

目の前に見えている何もない道が“普段の意識状態”になり、そこに見えていないものを浮かべるときに“非日常の意識状態”となり「それが催眠状態!」となります。

 

治療者が家族面接の時に”花”を見て「これがあなたの長男です」と言って、そこに見えないはずの長男を見てお別れを言っている場面がまさに“非日常の意識状態”となり催眠状態へと誘っていきます。催眠状態では無意識さんが働き、それまで見えなかったものが見え、分からなかったことがわかるようになり、苦しみから解放してくれます。

 

小説を書けるようになりたかった少女は「見えないものを見る」と言われた時に、“非日常の意識状態”になり、無意識さんが働き、何もないはずの道路に様々な物語を見いだすことができるようになるんです。

 

ここでみなさんはわかったと思いますが「それって誰でもやっている簡単なこと!」なんです。

 

本を読んでいる時も、目の前には活字しかないのに、頭の中には青空が広がっていたり、人が歩いていたり、ということを想像しているでしょ!

目の前の活字を見ているのが“日常の意識”で、活字を見ているのに、頭の中では風景が浮かんでいるのが“非日常の意識状態”だから「催眠状態なんだ!」となるんです。

 

電車の中で、目の前に座っている人を見ているのが”意識”になり、そして、会社であった出来事を思い出しているのが“催眠状態”になります。なぜなら、実際に目の前にある情景とは違ったことを頭の中では想像しているから。

 

家に帰って、テレビを見ている時は意識状態で、テレビを見ながら、会社で失敗してしまった場面が浮かんできちゃって、一人反省会をしている時は”非日常の意識状態”なので「催眠状態じゃん!」となるんです。

 

目の前に現実的にものを見たり、聞いたりしている時は意識的な状態であり、「見えないものを見る!」という時が“催眠状態”と考えると面白い(これはあくまでも私の催眠の捉え方です)。

 

「催眠って、いつでも誰でもやっている簡単なことじゃないですか!」とよく言われます。

 

「目の前に見えないものを見る」って無意識のうちに私たちはやってしまっていて、いつのまにか催眠状態に入って「片付けられない!」とか「ちゃんと思ったように行動できない!」なんていう”暗示”を入れられちゃいます。

 

暗示が入っちゃうと「本当に片付けができなくて困っちゃう!」となったり「夢はあるのにちっとも行動できない!」なんてことにもなる。

 

催眠療法では「目の前に見えないものを見る」ということを意識的に使って暗示を解く。

 

そして、それは自分自身でも簡単にできちゃう!という面白さ。

 

さあ!やっと戻ってこれた!

 

今、ここにある不安感に注目を向けます。

「不安感に注目を向ける」ということ自体が催眠の誘導になります。なぜなら、目の前の風景や実際に聞こえている音とは関係ないところに注目を向けているから。言ってみれば「目の前に見えないものを見ている」ということになります。

「これが催眠状態である」という認識がないと「不安に飲み込まれちゃう~!」というのは「暗示が入りまくって苦しくなる~!」という現象。

 

「目の前に見えないものを見る」をしている時は催眠状態、という認識を持った時に「無意識さ~ん!」が共にいてくれ私たちをガイドしてくれます。

 

催眠状態は無意識の状態で、そこには必ず無意識さんが働いて私たちを助けてくれます。

 

不安感に注目を向けた時に「あ!16歳の頃にこんな不安感を感じたことがある!」と思い出すんです。

 

16歳の時の自分を思い出して見ると、あのダサい制服を着て冴えない顔をした自分が浮かんできます(自分にダメ出ししすぎやろ~!かわいそうやろ~!)。

 

16歳の自分に注目を向けた時に、その時の自分の感覚を思い出すことができます。

これをしている時は完全に催眠状態、と思って見ると面白いです。

 

16歳の自分は「誰からも相手にされないし、認められない、そしてわかってもらえない!」と思っています。

自分のどこかで「自分は素晴らしいものを持っていて、それが誰かに認められるはず!」と思っているからこそ、それがこれから先も絶対に起こらない!という絶望感がそこにはあったんです。

 

16歳の自分に「お前も大変だったね!」というと「今も大変だから!」と言われて、私は泣きそうになります(催眠状態ですね)。

確かに、あの頃の自分って、すぐそこが崖でちょっとしたことで奈落の底に落ちてしまうかも?という不安で歩いていました。「地獄に落ちる」という感覚ですかね。一瞬先は闇!という感じ。

 

まあ、言葉では正直、慰めようのない状態。だって、常に四面楚歌で救いがないんですから。

 

でも、便利なのは、この絶望という暗示をとく呪文がたくさんあるってこと。

 

「すぐに不安になってしまう」が一瞬で消える方法(すばる舎)に書いてあった、呪文を16歳の自分と一緒に唱えてみるんです。

 

「え~?なんでそんな怪しいことをしなきゃいけないの?」と猜疑心が強い自分。

 

「君はこのままでいいの?」と厳しい言葉を浴びせて渋々唱えさせる私。

 

「誰かの気持ちを想像して疑心暗鬼になっちゃう!」という呪文でも「ちっとも楽にならねえ!」とふてくされる私。

 

「不安で眠れない時の呪文!」を唱えさせても「本当にこんなの効くの?」とわがままな私。

 

ことごとく不安が解消されなくて「まさか、お金持ちの呪文なんて16歳の私には関係ないよね!」と思いながら、唱えさせたら、今現在の私の不安がす~っと消えて「あれ?これなんだ!」とわかります。

 

その時に、パズルのピースがはまります。

高校に入る前後の時が、父親の会社が大変だった時で、経済的に常に困窮をしていた時期だったと思います(あまりよかった時がなかったんです)。

もしかして、この頃の「奈落の底に落ちるような不安」って、父親や母親の「経済的に破綻する!」という不安を私がもらっていたから、ということにお金持ちの呪文を唱えていたら気がついちゃったんです。

 

だって、これから将来がある高校生があれだけの絶望感と不安感で苦しむって、おかしいんですから。

 

高校生の自分がお金持ちの呪文を唱えて楽になるなんて。

 

あ!16歳の自分にお金持ちの呪文を唱えさせたから、この頃から父親の会社が少し安定したのかも?と面白い考えが浮かびます。

 

「目の前に見えないものを見る」ということをして意図的に催眠状態に入って、無意識さんの助けを借りていくと、今の自分が”暗示”から解放されるだけじゃなくて、私の未来が変わっていくような気がしているんです。

 

素敵な呪文とともに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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