03-3433-2721
〒105-0021 東京都港区東新橋2-16-3カーザベルソーレ4F
営業時間/AM10:00~PM18:00 定休日/日・祝
無意識さん登場!!
ある時、ある治療者の家族面接の陪席をさせていただけることになりました。
最近、息子さんを亡くされたご両親は、残された弟も引きこもり状態になって「この先、残された息子に何かあったらどうしよう」という不安でいっぱいなのですが、それを表現できずにいたんです。
残された弟は、兄がいなくなったことに対しての罪悪感があったのか、それとも両親の愛が兄が亡くなることで奪われてしまった、と思ったのか、面接室の椅子に座りながらずっと下をうつむいていて、何も語らないでいました。
両親の「この先、息子に何かがあったらどうしよう?」という不安からくる緊張感と「自分のことを放っておいてくれよ!」という息子の怒りの緊張感が入り混じったものすごい空気が面接室に漂っていて、それを受けた私は、まるで催眠状態に陥ったように体が硬直をして息がうまく吸えなくなり苦しくなっていました。
「この先、この家族面接を続けて何が変わるのだろう?」と完全に行き詰まった状態に見えたその時「この花をあのなくなった息子さんに見立てて、お別れを言って見ましょう」と治療者が口を開いた。
治療者は、亡くなる前まで、その息子さんの面接をしていて「君に出会えて本当に良かった」と言った瞬間に、目の前にあった小さな植木鉢に植わっている白い花を見ながらポロリと涙を流されて、そしてその涙をハンカチで拭った。
次の瞬間に、家族の緊張感が「サーッ!」と治療者の涙とともに解け落ちていく感じがあって、家族はそれぞれ、その花に向かってお別れの言葉を述べながら涙を流した。流れる涙とともに、自分を責める気持ち、そして、相手を責める気持ちも洗い流されて行ったような印象を私は受けていた。
私は、ずっと記録を取るためにノートに向かっていたが、ふっと顔を上げて見ると、ずっとうつむいていた次男が天井を見上げて涙をこらえていた。
その涙をこらえて上を見上げている姿は、これからの彼の将来を「見守ってくれ!」と誰かに言っているように私には見えていて、この家族の将来がものすごく楽しみのように感じられたんです。
この手法ってゲシュタルト療法の「エンプティー・チアー」の応用なのですが、私は「あれってやっぱり催眠療法だ!」と気がつきます。
催眠って「暗示を受けやすい、普通の意識状態とは違う意識状態」になります。
学生時代に寮で寝ていた時に、朝方に、友達が入ってきて「今日のシャワー室の掃除の当番代わってくれないかな?代わってくれたら助かるよ!」と寝起きに言われて「あ!いいよ!」と言ってしまいます。
起きてから「あ!なんであんなに簡単に承諾しちゃったんだろう!」となるのは、寝起きは普通の意識状態じゃなくて、相手の暗示が入りやすい状態だから(よい子は真似をしないように!)。
家族療法をしていて、普通の意識状態だったら、弟に「自分のことを責めなくていいよ!もう自分の人生を生きて大丈夫だよ!」と伝えても“暗示”は入り難いから「責めてないっすけど!」とか「自分の好きなことをやってますけど!なにか?」となってしまうんです。
治療者が目の前にある花を見ている時は「目の前に実際に見えているもの」で普段の意識になります。その花が長男です!と言われて「目に見えていないものがそこにいる」という体(てい)で話しかけることで日常以外の意識状態を簡単に作り出し「催眠状態」に誘うことができちゃったんです。
催眠状態の中で次男の中の「自分が悪いんだ」という”暗示”が解かれていきます。
そして「自由に生きちゃいけないんだ!」という”暗示”からも解放されて自由になっていきます。
目の前の白い花しか見えていなかった普通の意識の時は、自分が暗示にかかっていることすら気がつかなかったのに、そこに見えていないはずの何かを見た時に、日常とは違う意識状態である催眠状態に入って、無意識さんが”暗示”を解いてくれたんです。
(つづく)
24/11/08
24/10/18
TOP
ある時、ある治療者の家族面接の陪席をさせていただけることになりました。
最近、息子さんを亡くされたご両親は、残された弟も引きこもり状態になって「この先、残された息子に何かあったらどうしよう」という不安でいっぱいなのですが、それを表現できずにいたんです。
残された弟は、兄がいなくなったことに対しての罪悪感があったのか、それとも両親の愛が兄が亡くなることで奪われてしまった、と思ったのか、面接室の椅子に座りながらずっと下をうつむいていて、何も語らないでいました。
両親の「この先、息子に何かがあったらどうしよう?」という不安からくる緊張感と「自分のことを放っておいてくれよ!」という息子の怒りの緊張感が入り混じったものすごい空気が面接室に漂っていて、それを受けた私は、まるで催眠状態に陥ったように体が硬直をして息がうまく吸えなくなり苦しくなっていました。
「この先、この家族面接を続けて何が変わるのだろう?」と完全に行き詰まった状態に見えたその時「この花をあのなくなった息子さんに見立てて、お別れを言って見ましょう」と治療者が口を開いた。
治療者は、亡くなる前まで、その息子さんの面接をしていて「君に出会えて本当に良かった」と言った瞬間に、目の前にあった小さな植木鉢に植わっている白い花を見ながらポロリと涙を流されて、そしてその涙をハンカチで拭った。
次の瞬間に、家族の緊張感が「サーッ!」と治療者の涙とともに解け落ちていく感じがあって、家族はそれぞれ、その花に向かってお別れの言葉を述べながら涙を流した。流れる涙とともに、自分を責める気持ち、そして、相手を責める気持ちも洗い流されて行ったような印象を私は受けていた。
私は、ずっと記録を取るためにノートに向かっていたが、ふっと顔を上げて見ると、ずっとうつむいていた次男が天井を見上げて涙をこらえていた。
その涙をこらえて上を見上げている姿は、これからの彼の将来を「見守ってくれ!」と誰かに言っているように私には見えていて、この家族の将来がものすごく楽しみのように感じられたんです。
この手法ってゲシュタルト療法の「エンプティー・チアー」の応用なのですが、私は「あれってやっぱり催眠療法だ!」と気がつきます。
催眠って「暗示を受けやすい、普通の意識状態とは違う意識状態」になります。
学生時代に寮で寝ていた時に、朝方に、友達が入ってきて「今日のシャワー室の掃除の当番代わってくれないかな?代わってくれたら助かるよ!」と寝起きに言われて「あ!いいよ!」と言ってしまいます。
起きてから「あ!なんであんなに簡単に承諾しちゃったんだろう!」となるのは、寝起きは普通の意識状態じゃなくて、相手の暗示が入りやすい状態だから(よい子は真似をしないように!)。
家族療法をしていて、普通の意識状態だったら、弟に「自分のことを責めなくていいよ!もう自分の人生を生きて大丈夫だよ!」と伝えても“暗示”は入り難いから「責めてないっすけど!」とか「自分の好きなことをやってますけど!なにか?」となってしまうんです。
治療者が目の前にある花を見ている時は「目の前に実際に見えているもの」で普段の意識になります。その花が長男です!と言われて「目に見えていないものがそこにいる」という体(てい)で話しかけることで日常以外の意識状態を簡単に作り出し「催眠状態」に誘うことができちゃったんです。
催眠状態の中で次男の中の「自分が悪いんだ」という”暗示”が解かれていきます。
そして「自由に生きちゃいけないんだ!」という”暗示”からも解放されて自由になっていきます。
目の前の白い花しか見えていなかった普通の意識の時は、自分が暗示にかかっていることすら気がつかなかったのに、そこに見えていないはずの何かを見た時に、日常とは違う意識状態である催眠状態に入って、無意識さんが”暗示”を解いてくれたんです。
無意識さん登場!!
(つづく)