お金持のスクリプト(真面目すぎる人編)

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お金持のスクリプト(真面目すぎる人編)

大嶋信頼ブログ 緊張しちゃう人たち

2017/11/14 お金持のスクリプト(真面目すぎる人編)

曇り空を見ていると、こんなちょっと寒さを感じる時期に、ある道を歩いていたことを思い出すんです。

 

靴の裏にアスファルトを感じながら、もしかして、雨が降ってきて靴が濡れてしまわないか、と心配しながら、私は道を歩いていたんです。

 

すると、雨が降る前兆のようなあの匂いがしてきます。

 

近くを通る車のタイヤからは、湿ったような音が響いてきます。

 

こんな日にゆっくり一人で歩くのはおかしいかな?と思いながらも、私は、なぜか何の目的もなしに歩いている自分の足の動きを感じていたんです。

 

一歩、一歩、歩く時に伝わってくる地面の感覚。

 

そして、近くを通る車の音で、ビクッとする身体の反応を感じながら、いつもの道を歩いています。

 

すると、いつもの風景なのですが、大人になってからあまり入ったことがない公園が私の横に広がっているのが見えてきます。

 

晴れた日は、子供達が楽しそうにはしゃぎながら走り回っているかもしれない公園。

 

こんな日のこんな時間だから、子供たちもお母さんもそこには誰もいませんでした。

 

この曇り空の下に遊具が寂しそうに子供達を待っているような、そんな感覚を感じながら、私は思わず公園の中に入っていきます。

 

自分の中では、子供の頃からどれだけ体力がついたかな?と思って、鉄の棒にぶら下がって前に進む「うんてい」をやってみたくて中に入ってみたんです。

 

子供の頃は、高いうんていから落ちてしまうのが怖くて、しっかりと鉄の棒を握って「落ちまい」と踏ん張っていたのですが、成長した今は、足を曲げなければぶら下がることはできなくなっていました。

 

誰もいない公園で、鉄の棒は冷え切っていて、握った時に冷たい感覚が手のひらに伝わってきます。

 

「大人になったらこんなの楽勝で渡り切れるかも」と子供の頃に思っていたのですが、私の手は足を曲げて全体重を両腕に託した時に「あ!子供の頃とは体の重さが違うんだ!」ということを実感します。

 

無理、と諦めることもできたのですが、子供用の遊具で自分が諦めるのもなんだよな、と思いながら、冷たい鉄の棒が手に食い込んでくるのを我慢しながら、歯を食いしばりながら、私は渡りきろうとしたんです。

 

一つの鉄の棒から次の鉄の棒を握る時に、鉄の棒からあの音が聞こえてきます。

 

この音を最後まで聴き続けたい、と私は体を揺らして次の鉄の棒を掴みます。

 

息を整えながら、手の力を使って、この体を支えながら、一本、一本の冷たい鉄の棒を掴んでいると、ある感覚を感じたんです。

 

そう、子供の頃に、一人で公園で遊んでいた時のことを。

 

誰もいない、曇り空の下で、私は一人で遊んでいる、自分の姿を感じていました。

 

誰も見てくれていなかったのですが、私は、何度もなんどもうんていから落ちては、また始めから挑戦して、ということを繰り返していました。

 

最後まで渡りきったって誰も褒めてくれないし、誰からも認められるわけでもない、と思って、途中で諦めて、私は、いつもは他の子が使っていて乗ることができないブランコへと向かいます。

 

ブランコの座面に座って、両腕で冷たい鉄の匂いがする鎖をしっかりと握り締めながら、体の重心を前にずらして、そして足を思いっきり前に伸ばして、そして、この度は重心を後ろにかけながら、足を曲げて、を繰り返して、だんだん動きを大きくしていきます。

 

しっかりと両手で鎖を掴みながら、両足を思いっきり前に出して、そして今度は戻ってくるタイミングで、両足を曲げることを繰り返すことでどんどんスピードがついてきます。

 

揺れるたびに、心地よい鉄と鉄がこすれる音が耳に響いてきます。

 

私は一人でブランコに揺られて、一番高い位置になる時に、空に近づいたその時に、曇り空を見上げながら「誰かが後ろで優しく押して反動をつけてくれたらな」と思っていました。

 

暖かい手が私の背中を押してくれて、そしてその勢いで私は空に近づいていける。

 

暖かい手は、諦めずに何度もなんども私の背中を押してくれて、私を一定の高さへと導いてくれる。

 

そんな私は「もっと高く!もっと高く!」と背中の暖かい手の温もりを感じたくて、さらに高みへと押してくれるようにお願いしたくなるんです。

 

そんなことをイメージしていると、不思議なことに背中のあの部分が暖かくなってきます。

 

暖かい手で押されたいるような感覚と共に、私は前に行って、そして、暖かい感触を求めてかなのか、後ろに戻ってきます。

 

後ろに下がりきって、無重量を感じるようなその瞬間に、私の背中は不思議な感覚を感じながら、ブランコの底辺からグンと高みへと揺られていきます。

 

さらに高みへと登りたいのに、私は底辺へと戻り、そして後ろに引っ張られて反動をつけて、そして再び底辺から高みへと揺られていき、その高さはいつもでも自分の体の重心と両足で調節できたんです。

 

私は、そんな子供の自分を思い出しながら、いつのまにか頭の中で一人でブランコを漕いでいる幼いあの子の背中を押してあげていたんです。

 

さっきまで鉄棒をつかんで冷たかった手が、次第に暖かくなって、そして小さい背中の感覚を確かめていきます。

 

ゆっくりと優しく、動きに合わせ、その小さな背中に手を添えるように、押しながら、私はその自分にあることを伝えたかったのかもしれません。

 

そうなんです。

 

幼い頃に、私の心に響いてきたあの優しい言葉をこの子にかけてあげたくなったんです。

 

そんな時に、私は、いつか、また、この公園に戻ってきて、この雲梯に挑戦してみたい、と思ったのか、思わなかったのか。

 

なんだか、離れてしまうことが名残惜しい気もしながら、ここまできた道をしっかりと歩いていました。

 

そう、暖かくて優しい手で背中を支えられている感覚共に。

 

 

 

そして、私は、私の体に流れていく爽やかな空気を感じていきます。

 

 

ひとーつ!爽やかな空気が頭に流れていきます!

 

 

ふたーつ!頭がだんだんと軽くなっていきます!

 

 

みっつ!大きく深呼吸をして、頭がスッキリ目覚めます!

 

 

 

お金持のスクリプトでした。

 

(つづく)

 

 

 

 

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