物語を聞いているだけなのに変化が起きるのはなぜ?

心の傷を癒す心理相談室、株式会社インサイト・カウンセリングです

03-3433-2721

〒105-0021 東京都港区東新橋2-16-3カーザベルソーレ4F

営業時間/AM10:00~PM18:00 定休日/日・祝

物語を聞いているだけなのに変化が起きるのはなぜ?

大嶋信頼ブログ 緊張しちゃう人たち

2017/10/17 物語を聞いているだけなのに変化が起きるのはなぜ?

「ずるい人」が周りからいなくなる本(青春出版社)ですが土曜の時点でAmazon在庫復活していたのですが

ダ・ヴィンチニュースに記事が載ったおかげで

「1か月待ち」の表示になってしまいました。

 

ダ・ヴィンチニュース

https://ddnavi.com/news/405911/a/

 

Yahoo!ニュース

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171015-00405911-davinci-life

 

皆さんが応援してくださるおかげで、どんどん広がって行きます!!

 

ありがとうございます!!

 

これからも応援よろしくお願いいたします。

 

 

昨日の続きから。

 

このブログでは、心理療法のネタバレ的なことをかなり書いてしまっています。

 

心理療法って「この療法ってどうして効くの?」ということがブラックボックス的になっていることが多いんです(ブラックボックスは仕組みが明かされずに鍵がかけられているイメージです)。

 

そもそも、苦しんでいる人がどうして苦しんでいるのか?という構造があまり解明されていないわけですから。

 

30年前になりますが、トマトを食べて「苦しい~!」となった女性がいました。

 

その当時、アナフラキシーショック(急性の全身生活重度なI型アレルギー反応の一つ)がお医者さんの間であまり知られていなくて、苦しんでいるのに「トマトで苦しいっておかしいでしょ!精神科に行ってください!」と精神科に送られてしまいました。

 

精神科の方では「パニック発作でしょ!」と薬が処方されて、その薬のおかげで「自分を傷つけるのが止まらな~い!」となっていました。

 

苦しんでいる、もがいている原因って本当に人によって違っていて、治療をする人の解釈によって興味深い結果になるんです。

 

催眠のお師匠さんは、そのことをよく知っていらっしゃいました。

 

だから、いつも「むにゃむにゃむにゃ」とわけのわからない物語を語り出します。

 

「ある若者がね、古い本を読むのがとっても好きだったんです」

 

「古くさ~い、本だから、その若者は、その本に触れると、あることを感じられたんです」

 

なんていう感じで、一見、その人の症状には関係ないような物語を語っていくんです。

 

お師匠さんの物語を聞いているうちに、いつのまにか眠ってしまうのですが、起きて、しばらく生活をしていると「あれ?呼吸が楽になっている!」ということに気がつきます。

 

「え?なんで?」とちょっと驚きます。

あんなに「この時期になると呼吸が苦しくなるのよね!」と思って嫌な感覚があったのに「無い!」となったのはなぜ?

 

私はこういう仕事をやっているので「あ~!お師匠さんにやられた!」ということに気がつきます。

 

あの古本のスクリプト(物語)だ!あの本の知識と、本についていたホコリとカビが私の内面を豊かにしてくれる、ということで「カビとホコリを嫌わなくなった!」ということで、この時期に発生するカビに反応しなくなって「呼吸が楽になった!」となったんだ!という推理をします。

 

同じ部屋で同じスクリプトを聞いていた別な人は、私とは違った変化をしていたのですが「あ!自分の変化に気がついていない!」となっていて、私が「こんなことが変わりました!」と報告したら「いいな~!羨ましいな~!」と言っていました。

 

でも、その人の変化の方がすごかったんです。

それまで切れなかった「ダメ男」をすっぱり切ることができていたんです。

 

そう!その方は、無意識の中で、あのスクリプトを聞きながら、気に入って何度もも何度も読んでいた古い本を閉じて本箱にしまうことができたんです。

 

「なぜなら、もう、何度もなんども読んで十分に私の中にその本の内容は入っていたから」というお師匠さんのスクリプトが思い出されてきて「あれだ!」と私は気がつきます。

 

「私は何も変わっていない!」という方は古い本とダメ男を知らず知らずのうちに重ねて、そして本棚に戻したんです(お別れした、ということです)。

 

多分、意識的な人があのスクリプトを聞いても、いつのまにか眠ってしまいます。

そして眠りから覚めたら「こんなの何にも効果がなかったじゃん!」と文句を垂れます。

 

でも10年後に、知らず知らずのうちに変わっているのですが、意識的な人は、自分が変化したことも気がつかないし、誰のおかげで変化したのかもわかりません。

 

お師匠さんは、あのバラの詩人のよう。

 

そう、一輪のバラを老婆に渡して、その橋のふもとにいなくなった老婆のことは誰も気には止めません。

 

そして、なんでそこから老婆がいなくなったのか、ということも考えもしないのでしょう。

 

でも、あのバラだけが知っているんです。

 

手渡されて、受け取ってもらった時の、よろこびを。

 

お師匠さんが紡ぎ出す、無意識さんのスクリプトはとっても素敵なんです。

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TOP