アリとキリギリスの教訓

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アリとキリギリスの教訓

大嶋信頼ブログ 緊張しちゃう人たち

2016/08/29 アリとキリギリスの教訓

私の理解では、言語性知能は先々のことをシミュレーションします。

 

「地震が起きたらどうしよう?」とか「電車が止まってパニックになったらどうしよう?」や「あの人から嫌われたらどうしよう?」などを考えてしまうのが言語性知能で、それがどんどん浮かんできて止まらなくなるのが、言語性知能の暴走です。

 

言語性知能が悪いわけじゃなくて、ある程度、人は言語性知能を使って「これが起きるかもしれない」と想定しておくことが必要になります。アリとキリギリスの物語がその教訓になります。

 

ちょっと話がそれるかもしれませんが、自閉症のお子さんは、想定外のことが起きると、頭を自分で「どんどんドン!」と叩いて「うわ~!」とパニックになってしまったりします。生活の中の行動パターンが決まっていて、ルーティーンがしっかりあって、それ以外のことをさせようとすると「想定外!」となってパニックになってしまうのです。

 

自閉症の場合は知的能力の問題から将来のシミュレーションの数はそんなに多くないように見えます。だから、ピンポイントで想定内のことをしてあげないと「わ~!」とパニックになるから家族は大変!

でも、高機能自閉症の場合は、知能が高くてパニックにならないように、色んな想定をしているから自閉症のようにピンポイントではなく、ある程度、余裕があります。

 

でも、想定外で相手に突然スケジュールを変更されたり、相手から予想外の返答がくると、頭が真っ白になってパニックになり、そして大人の対応が出来なくなります。

 

だから「時の流れに~!身を任せ~~!」なんていうのが困難になります。

 

時の流れにを任せてしまえば、自分の為に用意されている素晴らしい現実がそこにあるのに、それが出来なくて、自分の想定内の中に生きれば生きるほど日々のルーティーンが繰り返されていくだけ。

 

私の場合は、不幸のルーティーンが毎日、繰り返されていました。

 

宗教的な体験をして「諸行無常」とか「空の空、全ては空」などということが体得できれば、先々のシミュレーションを停止して、そして「時の流れに身を任せた時に全てが得られる」という不思議な体験が出来るのだと考えられます。

本当の意味でそれが出来たのはブッタだけかもしれない、とフッと思ったりします。

 

でも、言語性知能が生み出したたくさんのシミュレーションを時間軸で整理する動作性知能のバランスをとるキーワードを唱えていただいたクライアントさんを見ていると「こりゃ!修行って関係ないのかも?」と思ったりするんです。

 

言語性と動作性知能のバランスが取れて、周りがどんどん変化して、全てが思い通りになっていっているのに「それが何か?」と当たり前のように受け取っていて、そこに感動も何も無い、という姿がとても美しい。

 

動作性知能のバランスが取れた時に、先のことや人のことを考えなくなり、そして、周りがどんどん都合のいいように変化していくのに、感動も何も無い、あの感じがすごい!と思うんです。

 

でも、そうなった時に、面白い現象が共通して出てきたんです。

 

それは“怒り”の問題でした。

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

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