助けを求められて

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助けを求められて

大嶋信頼ブログ 緊張しちゃう人たち

2016/06/16 助けを求められて


自分の頭の中に浮かんでくる思考は、別の時間軸の自分の脳のネットワークでつながって伝わってきているもの、と考えてみると興味深い。

 

別時間軸の自分が助けを求めている。

 

ミラーニューロンのSF的なアイディアを取り払って「先に起こるかもしれない嫌なことを想像しちゃう」というのを単純に考えてみれば「嫌なことが起こらないように前もって不快なことを想像して、その出来事が起きないようにしている」ということになる。

 

「泥棒が入ったらどうしよう?」と思って玄関のカギを何度も確認する。
未来に起きるかもしれない不幸なことを想定して、そして、それを防ぐために何度も確認している、と考えたらごく普通のことである。

 

SF的に考えてみると、泥棒に入られてしまった未来の別時間軸が存在している。
後悔と怒りがその時間軸の自分の脳と繋がってしまいリアルに感じられてしまうから、何度も何度も確認したくなってしまう(悔し~!)。何度も確認しても、その不安と怒りが消えないのは、その未来の時間軸の状況が変わっていないから。
未来の自分は「そんなに何度も確認するだけじゃ、未来は変わらないよ~!」と怒り後悔で訴えてくる。でも、その感情の意味が解らず逆に強迫的に確認したくなってしまう。

 

そこで”怒りで記憶が飛んでしまう遺伝子”のスイッチをオフにしてみる。

 

すると「あれ?泥棒のことが気にならなくなった!」となるのは未来の泥棒に入られてしまう時間軸が消えてしまったから、と考えてみると、面白い。

 

誰かに怒って頭がテンパった時に、記憶が飛んじゃって忘れ物をする傾向が確かにあった。
その遺伝子のスイッチがオフになった時に、泥棒が怖くなくなったのは、記憶が飛ばなくなったから。

 

未来の別時間軸の自分が「それだよそれ!」と喜んでいる(そして、さようなら~!別時間軸の自分よ~!)。

 

子供の頃に母から罵倒された場面が頻繁に浮かんできてしまう(あれ~!)。

 

一般的に考えれば「記憶がちゃんと処理されなかったトラウマでしょ!」となる。
でも、トラウマと分かったところでその記憶は消えないし、苦しみも変わらない場合がある。

 

子供の頃の自分が助けを求めている。

 

そこで”ダメ出しの遺伝子”を唱えてみたら「あれ?母親から罵倒された記憶が消えていく~!」ってちょっと焦ったりする(記憶が抜けてしまう痴呆症になったのか~!)。詳細が思い出せなくなっていく、自分がここにいる。

 

消えゆく瞬間に「あ!そういえば、子供の頃から”余計な一言が多い”って学校の先生からも言われてたっけ!」と思い出す。
母親が落ち込んでいるときに、ダメ出しをしていた自分の姿がふっと浮かんできて、そして、ゆっくりとそれが消えていく。

 

「ありがとう!」と幼い自分が手を振っている。
そして、静かに消えて今のことしか考えられなくなる。
過去の自分の脳とつながって、過去の自分が変わり、そして別時間軸が作られて、今の自分がどんどん自由になっていく。

 

いま、この時、この瞬間を生きられるようになる。

 

こんな仮説が”遺伝子を唱える”の背景にある。

 

 

 

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